はじめに
本記事の対象者
- Power Automateで任意のファイルについて承認をもらいたい人
- 複数のファイルについて承認をもらいた人
- 複数承認してほしいけど、自動でApply to eachになってしまって、1個ずつしか送れない人
本記事の目的
- Power Automateで任意のファイル(1つまたは複数)に対して承認をもらえる方法を知る。
PowerAutomateで複数の添付ファイルを承認依頼する方法
2021年2月から無料版Power Automateを使って今まで貯めてきたノウハウを解説していきます。
自分のノウハウのまとめは、「【業務効率向上】【備忘】PowerAutomateの使い方一覧」にあります。もしよろしければ確認してみてください!!
今回の紹介するフロー
今回は、コネクタ「承認」を使って、添付ファイルの承認をもらうフローを作成します。
具体的にはアクション「承認」に複数のファイルを添付して、承認をしてもらえるようにします。
実際にフローを実行した時に届くメールは以下の通りです。
下のフローが今回作成するものです。
今回のフローにおける仕様のコメント
1つのファイルでもいいですが、複数のファイルを承認してもらうフローの一連の流れを下に書きます。
- トリガーによって、フローを実行
- 指定のフォルダにあるファイルリストを取得
- ファイルリストからファイルのコンテンツを取得
- データ操作の作成にファイルのコンテンツを格納
- 複数ファイルの情報を格納したデータ操作の作成をApply to eachから取得
- アクション「承認」で複数ファイルを添付して承認依頼
PowerAutomateで複数の添付ファイルを承認依頼するフローのコネクタ説明
まずはトリガーから説明していきます。
トリガー(繰り返し):同左
トリガーは、「繰り返し」です。
このコネクタでは、どのような頻度でフローを実行するか指定するものです。
一旦、トリガーとして設定しただけなので、あまり真似しなくてもいいと思います。
もし、実際に使用する場合は、SharePointリストに項目を追加した時にトリガーを実行し、添付されているファイルの承認をもらうといった使い方になります。
無料版では、実用例のキャプチャが取れないので、今回はOnedriveのファイルを添付する例になります。
コネクタ1(フォルダー内のファイルのリスト):同左
1つ目のコネクタは、「フォルダー内のファイルのリスト」です。
このコネクタでは、指定のフォルダ内のファイルのリストを取得します。
コネクタ2(Apply to each):同左
2つ目のコネクタは、「Apply to each」です。
このコネクタでは、フォルダ内にあるファイルの情報をデータ操作のアクション「作成」に格納します。
フローを作成する際には、Apply to eachを最初にセットするのではなく、コネクタ2-1(ファイル コンテンツの取得)に「コネクタ1のファイルID」を入力すると自動的にApply to eachが現れます。
Apply to eachの使い方については、以下のページを参考にしてください。
参考ページ:PowerAutomateのアクション「Apply to each」の使い方
Apply to eachの中身について、以下で説明します。
コネクタ2-1(ファイル コンテンツの取得):同左
3つ目のコネクタは、「ファイル コンテンツの取得」です。
このコネクタでは、動的コンテンツのコネクタ1のファイルIDを入力して、対象のファイルのコンテンツを取得します。
ここでは、ファイル名などの情報ではなく、対象のファイルの中身を取得するためのアクションとなります。
SharePointリスト上のファイルやその他のファイルのコンテンツを取得する場合は、アクション名の語尾に「~~コンテンツの取得」と書いてあるので確認してみてください。
コネクタ2-2(作成):複数ファイルの情報
4つ目のコネクタは、データ操作の「作成」です。
このコネクタでは、ファイルの名前とファイルのコンテンツ(内容)をデータ操作の「作成」に格納します。
ここが一番重要です。
念のため、コピーできるように以下にも入力内容をテキストにして書いときます。
No | 設定項目 | 内容 | 備考 |
1 | 入力 |
{ |
これは、おまじないですね。 |
おまじないになっているので、丸覚えでいいと思います。
コネクタ3(作成):複数ファイルをApplytoEachから取得
5つ目のコネクタは、データ操作の「作成」です。
このコネクタでは、Apply to Eachでファイルの名前とコンテンツを格納していた「複数ファイル情報」の情報を、Apply to Eachから外に出して取得します。
Apply to Eachからの外出しは、式の中でoutputs関数を使用しますので、下に何を書いたかを記載します。
No | 設定項目 | 内容 | 備考 |
1 | 入力 | outputs(‘複数ファイルの情報’) |
「複数ファイルの情報」はコネクタ2-2の名前になります。 |
表の上の画像では、項目「入力」には入っているのが、「出力」と書いてあります。
実際には、式で「outputs(‘複数ファイルの情報’)」と入力したのが、フローの保存後に編集しようとすると、「出力」になってしまいましたのでご注意ください!!!
実際に入力している時の画像は以下になります。
ここも、どちらかというとおまじないだと思ってもらったほうがいいかもしれません。
それでは次の説明します。
コネクタ4(開始して承認を待機):同左
6つ目のコネクタは、「開始して承認を待機」です。
このコネクタでは、データ操作の「作成」に複数の添付ファイルの情報を格納して、「承認」に添付して担当者へ承認依頼します。
肝といいますか、初期の画面では、上の赤枠のようになっていないので、以下の画像のように
ボタン「アレイ全体の入力に切り替える」を押してから、コネクタ3の添付ファイルの情報を
「承認」の添付ファイルに入れてください。
その他の項目については、以下の表を参考にしてください。
No | 設定項目 | 内容 | 備考 |
1 | 承認の種類 | カスタム応答-1つの応答を待機 |
|
2 | 応答オプション項目1 | 承認 |
自分の好きな選択肢を入力してください。 |
3 | 応答オプション項目2 | 却下 |
自分の好きな選択肢を入力してください。 |
4 | タイトル | 複数添付ファイルの承認 |
これも好きなのを入力です。 |
5 | 担当者 | 承認者のアドレス |
|
6 | 添付ファイル | コネクタ3の添付ファイル情報 |
ボタン「アレイ全体の入力に切り替える」を押してから、入力してください。 |
これで完成になります。
今回はおまじないが多かったイメージですが、自分でも実装してみて、実際にできることを確認してみてください。
実行結果
今回のフローを実行すると以下のようになります。
すべて正常終了していることがわかります。
ちなみに今回テストで添付しようとしたファイルは、Onedirveにある以下のファイルです。
実際に送られメールや、Power Automate上で複数ファイルが添付されているかを確認します。
まずは、メールで確認しますと以下の通り、ちゃんと添付されていることがわかります。
また、PowerAutomateの承認の画面から確認しますと、以下の通りです。
これで、添付ファイルが複数になってもファイルを添付することを確認できました。
念のため、承認までの動作も掲載しておきます。
下のように、コネクタ4で設定した選択肢を選択し、左下のボタン「確認」を押します。
そして、承認となったら、ボタン「完了」を押下します。
これで完成です!
補足情報 今回のフローの想定用途
今回のフローの想定用途は、複数のファイルに対して承認をもらう時になります。
どのファイルを承認したかなどがはっきりするため、使いようによっては、監査の証憑にも使えると思います。
まとめ
まとめに入ります。
業務効率を上げるために提供されているMicrosoft365のツール群で、今回はPowerAutomateで複数の添付ファイルを承認依頼する方法を説明しました。
今回のフローの想定用途は、複数のファイルに対して承認をもらう時になります。
個人的には、監査など使いどころが結構あったりするのではないかなと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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